●2013年5月より、新しい作品をまずはライブ会場限定で販売開始する、OG&Ame Sol town bandのギターボーカル:荻野雄輔さん(左)と、僕とモンスターのギター:ほし・おずま・なおきさん(右)。昨年からお互いに新しい活動を始めた、長い付き合いの盟友同士。今思うこと、お互いの作品を聴きながらの感想などを、お話していただきました。

 

 


●僕とモンスター

 

同じバンドで活動していた、島子、ほしおずまなおき、が2012年に始めたアコースティックユニット。心の隙間に入り込む言葉を切なく力強く歌う島子に、ほしが感情的なギターで応戦。不思議な空気を醸し出します。

 

http://bokumon.blog.fc2.com/


●OG&Ame sol town band

 

2002年頃から東京でバンド活動を開始した「荻野雄輔」が、「Hooker Stroke」「サキノハカ」などへの参加を経て、自分のバンドを結成。荻野の力強い歌と、彼の多種多様なアレンジングに応えるメンバーの、息のあったロックサウンドが楽しめるバンドです。

 

http://www.oginoyusuke.com/


■僕とモンスター、OG&Ame Sol town band 、ダブルレコ発ライブ

 

2013年5月2日(木) at 吉祥寺planetK

 

出演 : 僕とモンスター / OG&Ame Sol town band /(FAR EAST TOKYO)NIKKE Group

※OpeningActあり。

 

open18:00 / start18:30

adv2300 / door2800 

 


 

 

「 歌い手とバックバンドという見られ方をするのは、思っていた以上に受け入れられなかった。」
 

 

ー お二人はこれまでもたくさん共演したり、一緒に演奏してきていると思うんですが、出会いはサキノハカの時ですか?

ほし  いや、その2~3年前ですね。

荻野  今からだと、6年くらい前じゃない?当時はCABLLETSというバンドでベースを弾いていて、ほしくんはジェントルズでギター弾いてたね。お互いの共通の友人に、かげぼうしというバンドがいて、そのイベントとか打ち上げで話すようになったね。同い年のバンドマンは少なかったし、妙に趣味が合ったのは覚えてる。

ほし  荻野バンドでギター弾いたこともあるけど、あれ、でもサキノハカが先?

荻野  サキノハカだね。

ほし  付き合いが長くて、もう記憶が曖昧で。笑

荻野  ほしくんが先にサキノハカで弾き始めて、その後で俺が入ったから、その時初めて一緒に演奏したね。

ー 僕とモンスターはアコギの弾き語りとエレキギターという、とてもシンプルな2人編成ですが、最初からそのコンセプトで始めたんですか?

ほし  そうですね。ドラムやベースは探さなかったです。たまにゲストで他の人がいてもいいけど、基本は2人でやろうって始めました。付き合いも長かったので、とりあえずスタジオ入ったらどんどん曲が出来て、(他の楽器は)いいかって。あとは、バーなどで演奏したいっていうのはありました。

ー どこでも演奏できる、最小限のスタイルですね。

ほし  いろんなところに行きたかったので、どんな場所でも、2人編成ならできるかなって。

ー 荻野さんは今作品から名義が「OG&Ame Sol town band」に変わりますが、このバンド編成はいつ頃から活動されてるんですか?

荻野  2012年10月から、今の編成ですね。

ー 荻野雄輔名義から、あえてバンド名を付けることで、意図したことなどを教えてください。

荻野  本名の荻野雄輔で活動してから割と時間が経って、サポートという言い方はしたくないけど、一緒に演奏してくれる人が固まってきてね。ライブをしていくにつれて、すごく自然に「バンド」っぽくなっていったの。もちろん本名の荻野雄輔として活動すれば、ステージに立ったときもわかりやすいとは思うんだけど。でも自分はずっとバンドをやってきた人だから、歌い手とバックバンドという見られ方をするのは、思っていた以上に受け入れられなかった。

ー お客さんが、ですか?それとも自分自身が、ですか?

荻野  自分自身が。自分はメンバーをバックバンドだなんて思ってないのに、荻野雄輔という名前でライブをすれば、外からはそういう風に見えてしまうじゃない。その状況はもったいないって、ある人から言われたんですよ。荻野雄輔のソロ活動かもしれないけど、バンド名つけて活動した方が、きっとお客さんにも、共演のバンドとかにも、わかりやすいよって。でもバンド名を付けることには抵抗があって、ずっと荻野雄輔でやってきた。

ー 以前、satohyohとの対談で、「器用貧乏な自分を受け入れる」という発言がありましたね。荻野雄輔として個人の音楽家であること肯定するという意味合いだったと思います。バンド名への抵抗があったというのは、そういうところにも繋がってますか?

荻野  えーとね・・・恥ずかしながら、三十路を越えまして、大した成果もあげてないなぁと思って、自問自答したんですよ。お前は何がやりたいんだって。以前は、音楽に関することならなんでもいいから仕事にしたいって言ったと思うんだけど、自分のなかの音楽の在り方が変わってきてね。もちろん個人として音楽家ではありたいし、歌を歌っていたい。でもそれ以上に、自分はバンドをやりたいんだって気づいちゃったんだよね。よし、正直になってみようかと。それですぐ、バンド名付けました。また長ったらしい名前になっちゃったけど。

ー なかなか読み方が難しいですね。

 
荻野  OG&Ame Sol town band(オージー・アンド・エイム・ソル・タウンバンド)という、初見ではまず覚えられないだろうなと思う名前なんですけど。OGは荻野雄輔のことで、あだ名ですよね。そう呼んでくれる人がいて、うれしかったし、いいなと思ってそのまま。

ー AmeとSolは造語ですか?

荻野  Ameはそのまま雨のことで、Solはラテン語です。太陽っていう意味。雨を入れたのは、昔からもうずっと雨男なんですよ。イベントをやれば大雨だし、他にも台風がくる、雪が降る、強風で電車が止まる、ひどいんですよ。

ほし  一度、他は晴れてるのに、スタジオのまわりだけ雨降ってきたこともあったよね。

荻野  あれはもう笑うしかなかった。それが、今のメンバーになってから、ライブの日に雨がほとんど降らなくなったから、その変化がすごく面白いなと思って。ただ、アコースティックトリオでも活動してるんですが、そっちは相変わらず雨ですね。

ー Ameはエイムと読むんですね。

荻野  並べたときに、響きがそっちの方が良かったから。あと、造語をひとつ入れたかったのもあります。英語にしてみたらレイニーサンズバンドになっちゃうから、それはないなと。僕は相変わらず雨男だけど、どうにかこうにか、太陽が見えてきてるよって、そういう名前にしたかった。

ー town bandは、もしかして映画「スワロウテイル」からですか?

ほし  懐かしい!

荻野  ノリはそんな感じ。これも響きの問題で、town bandっていう言葉が好きなのね。日常感が出るかなと思って。そんなに大それたことを歌っているわけではないので、当たり前のこと、その辺にある歌って意味かな。ちなみに、僕とモンスターって、なんでそういう名前になったの?

ほし  ・・・僕の見た目がモンスターだからです。

荻野  笑。

ほし  最初は恥ずかしくて否定してたんですけど・・・でももういいかなって。始めた時は今より髪も髭も長かったんで、見た目で付けられました。

 

 

 

 


「それを最大限活かせば、歌とギターで十分いい作品が作れるんだ」ー僕とモンスターの作品についてー

 


ー では、作品の話に入りましょう。今回は2組同時インタビューということで、お互いの新しい音源を聴いてきてもらったんですが、どんな感想を持ちましたか?

荻野  僕とモンスターの作品は、すごく長く聴けると思います。無駄が一切ない。2人編成とはいえ、音源なら音を重ねることはできたと思うんですよ。ドラムやベース、ピアノとかね。それをあえて何も重ねず、2人がいつも演奏しているようにパッケージングした。そのことで、島ちゃん(僕とモンスター:ボーカル島子)の歌の良さ、楽曲の良さが全面に出ていると思う。音数が少ない分、それを最大限活かせば、歌とギターで十分いい作品が作れるんだって、再確認させていただきました。

ほし  ありがとうございます。

荻野  途中で消せないね。通して聴いてしまう。そういう力をもっている作品だと思います。

ー よりシンプルな作品にしたのは、意図したところですか?

ほし  最初はドラムを入れる案もありました。でも初音源だし、活動自体をわかってもらうためには、ありのままの方がいいんじゃないかっていう話になりました。歌ももっと重ねる予定だったんですけど、それも止めました。1曲、本当にせーのって演奏したものをそのまま収録するんですけど。

荻野  あれすごく良かったよ。

ー ライブの定番曲もあれば、最近の曲もありますね。

ほし  その一発録りしたのは、最近の曲です。1曲目の「10950日目の進化」はライブでよくやるし、代表曲って言っていいと思うんですけど、2曲目の「アルバム」は僕のわがままで収録しました。最初に作った曲だから、どうしても残したいなと思って。レコーディングは、She'sszk君にお願いしました。

荻野  ギターも歌もすごく綺麗で素直な音でレコーディングされてるね。とてもいい。僕モンを知らない人に、最初に聴かせるものとして、間違いないと思います。

ほし  「10950日目の進化」のアウトロで重ねてるトレモロピッキングが大変で、腕がつりそうになった(笑)。自己満だしライブでは弾かないけど、自分の中で気に入ってるフレーズです。

 

ー ほしさんは空間系エフェクターを駆使して、本当に多彩なギターアレンジをされていますが、島子さんの曲にギターを付けるとき、気をつけていることってありますか?

ほし  当たり前ですけど、歌を邪魔しないことですよね。かっこいいギターは好きだけど、歌を邪魔してたら意味はないし。あとは、他に楽器がいない分、自分がやらなきゃいけないことも多いので、その場でしっかりメロディを覚えて、趣旨を汲み取って弾かないと、と思ってます。でも自分の主張するところでは主張します。今後の課題は、リバーブのもっとうまい使い方です。僕とモンスターをやり始めてから、多用しまくってるんですけど、奥が深いです。

 

 

 


「お互いに見せ所をわかってるんだな、前にでるところと、引くところと。いい意味で、エグい作品」ーOG&Ame Sol town bandの作品についてー

 


ー では、OG&Ame Sol town bandの作品はどうでしたか?

ほし  自分が弾いていた曲もあったので、まずは懐かしかったですね。でもアレンジはだいぶ変わってました。それも意味のある変わり方で、きっと今のメンバーになったから、こう変化したんだなって思えました。前よりかっこいいですよ。音数多いのがうらやましくなった。笑。

荻野  ありがとうございます。

ほし  しゃららーんっていう良かったなぁ。あれはライブで再現するの?

荻野  ウインドチャイム?再現するよ。あれは山川(OG&Ame Sol town band:ドラム山川さやか)じゃないと生まれない発想だね。

ほし  「Drops」が入っているのは意外だったかな。僕が参加している時代に出来た曲で、当時ライブではあまりやってなかったから。

ー 選曲はどのように行ったんですか?

荻野  人気のある4曲です(即答)。

佐藤・ほし  笑。

荻野  裏を返せば、半ばベストアルバムですが、「Wanderer」と「Ikaros」は再録になるんですよ。実は3回くらいレコーディングしてる。やりすぎじゃないかと思われるかもしれないけど、ようやく自分の歌と曲に向き合うことができた気がしているので。自分と、曲も成長したなって思えるんだよね。自信がある2曲だし、歌っていることも自分の言いたいことを詰め込んでいるし、ダイレクトに伝わるのはこの2曲だろうということで、外すという選択肢はなかったです。「Zinnia」は比較的新しい曲で、今のメンバーになって初めてしっかりアレンジした曲。

ー 荻野さんは楽器もアレンジもいろんなことが出来るし、この言葉は好きじゃないかもしれないですが、ジャンルに拘りなくいろんな曲を作ってきたと思うんですが、印象としては、特にライブハウスで映える曲を集めたように感じました。

荻野  OG&Ame Sol town bandになってからは、アレンジは特に細かく確認するようになったので、ライブで演奏するときには、ある意味出来上がってる状態なんですよ。なので、収録するときに変える必要がなかったというか、手を加えたくないくらいすでにアレンジされてたというか。僕モンと一緒で、そのままの勢いが感じられるものになればと思って。

ほし  それぞれの楽器が、お互いに見せ所をわかってるんだなって思った。前にでるところと、引くところと。いい意味で、エグいね。やらしいね。笑

荻野  やらしいでしょ。笑。トータルで聴いたときにバランスがいい作品にはそういうのは必要だし、その辺はちゃんと出来たつもり。

 

ー ここで、お互いにジャケットを見せ合いましょうか。

荻野  ジャケットは島ちゃんが描いたんだよね?

ほし  そう、こういう感じです。

荻野  素晴らしい!あいつ絵心あるんじゃん!

ほし  前々からいろいろ描いてて、僕はまかせっきりだから申し訳ないんだけど、いい絵だよね。

荻野  うちのはこういう絵です。

ほし  フライヤーでちょっと見たけど、すごくいいよね。雨の感じがすごくいい。

荻野  ジャケットはね、色々考えたけど、音が出来上がるにつれて、あいつしかいないなと思って、ナカムラヒトミという絵描きにお願いしました。古くからの友人で、ずっとコラボしたいと思ってたけどタイミングが合わなくて。そうしているうちに、ここ数年で色々あってね、ちゃんと前向いていかなきゃいけないなって、そう思い始めたときに、共作できるタイミングがやってきたから、今しかないなと。向こうは向こうで、「そのオファーを何年も待ってたよ」って言ってくれて、そういう意味でも感慨深い作品になりました。

ー ふたつ並べて見ると、面白いですね。なんだか似てるようで、赤と青で対比になっていて。このふたつが物販に並んでる様子が綺麗だろうなって思いました。

 





ー これは個人的に聞きたかった質問なんですが、ほしさんがいちばん聴き込んだアーティストって誰ですか?想像がつかないというか、謎だったので。

ほし  パンクやハードコアは好きです。ギターを始めたきっかけは、HUSKING BEEなんですよ。今やってる音楽からすると、意外に思われるんですけど。特に好きなのは、90年代の、エモと呼ばれる音楽で、Mineralとか、On The Might Of Princesとか、PENFOLDとか。アルペジオ重視のギタープレイで、おそらく影響受けてます。荻野さんの方が謎ですけど。

荻野  もういちばん困る質問ですよね。自分でもわかってないから。最初はベースでコピーバンドを始めたので、そういう意味では、BOOWYがルーツになるんですけど。 小学生の時から好きで、松井さんの、陰で静かに支えている感が好きで。

ー 小学生なら、氷室さんか布袋さんに興味がいきそうなものですけど。

荻野  いや、ひたすらダウンピッキングしている姿に胸を打たれたんですよ。僕も目立つのが嫌いな子供だったので。自分で歌ってる今の姿なんて、当時の僕には想像つかないことだと思いますよ。ボーカリストに関しては、好きなアーティストはたくさんいるんですけど、こうなりたい!っていう憧れはなくて。作曲家でいうなら、菅野よう子さんが好き。アニソンって括っちゃうのは乱暴だけど、本当にいい曲が多いので。あと付け加えるなら、僕らが小さい頃というか、十代の頃のテレビで流れてた音楽って、どの世代にも強烈な印象を残してるじゃないですか。

ほし  イントロクイズとか、サビの早押しとかで使われる曲は、90年代のドラマ主題歌が多い気はしますね。

荻野  曲を作る者として、そういうのは、目指したいです。

 

 

 



「たかが音楽なんだなって思う。でも音楽の力っていうのはある。それは信じて疑わないものとして、ずっとある」


ー それぞれ、昨年から新しい活動を始めて、まずは最初の作品が完成して、ここからまた新たな目標も生まれていると思います。今後の活動は、どうのように行っていく予定ですか?

荻野  できることなら、たくさんライブをしたいですね。というのも・・・音楽だけじゃないけど、明日どうなるかなんて、わからないじゃない、本当に。すごく今、転換期だと思ってるんですよ。

ー あまりみんな語りたがらない部分ですよね。でも心のなかには抱えている問題。

荻野  音楽の在り方の話に戻っちゃけど、僕には、辞めるという選択肢はないんですよ。そこにあるものだし、いつか辞めなきゃいけないものではないし、逆に無理して続けなきゃいけないものでもない。ようやく、たかが音楽なんだなって思えてきたんだよね。

ー それは、やる側としてですか?聴く側としてですか?

荻野  両方かな。誤解を招く言い方かもしれないけど、音楽は、たかが音楽なんだなって。音楽の力っていうのはある。それは信じて疑わないものとして、ずっとある。誰かを感動させたり、楽しませたり、おっと驚かせたり、それで十分なものなんだよね、本当は。それが出来るのであれば、続けていくことに意味は必ずあると思ってて。自分がそれで飯を食えるかどうかは別問題だから。音楽っていうのはそれだけだし、それで十分なもののはずなんだよね。音を楽しむとはよく言ったものでね。

ー 職業としての音楽はきっと、楽しいことばかりじゃないと思いますけど、その感覚をリスナーにも当たり前のように広めてしまうのは、確かに変な話ですよね。

荻野  音楽で食べたいという意識は、正直薄れていると思う。ただ、その分、好きなことをおもいっきりやりたいっていう、純粋な気持ちに戻れていることは、喜ばしいことだとも思ってる。OG&Ame Sol town bandとしての今後の目標は、野外フェスに出ること。それは売れるためのステップアップとかじゃなく、このメンバーで、野外で、おもいっきり演奏したい。目標といっても、シンプルにそれだけなんだけどね。このメンバーと演奏をたくさんしたい。こんな感じです。

ー ほしさんはどうですか?

ほし  これまでは頻繁にツアーとか出来なかったんですけど、僕とモンスターになって、作品作って、それを持ってツアーできることになったのがまずうれしいです。でも、まだまだ行きたいのに行けない場所もあるんですよ。だから今回行けないところは、次のツアーで行きたいし、とにかくいろんなところへ行って演奏したいです。関西も、地元の東北も。

ー まずは、5/2(木)の吉祥寺PLANET K、2組の共演で、さらにどちらも初の音源作品を販売開始ですね。

ほし  偶然ね。

荻野  どちらもレコ発になれば面白いねという話はしてて、僕らはその日に間に合わせるように作ってました。島ちゃんにも電話して、この日に出そうよって言って。実現できてよかったね。すごく楽しみですよ。

ほし  気に入ったらCDを買ってください。2人組でバンドの中に出てくわけだから、バンドを見に来たお客さんを相手に演奏するわけじゃないですか。それでもやっぱり何か残したいし、気に入ってもらえたらすごくうれしいし、家でも聴いてもらいたいので。それでまたライブを見たくなってくれて、来てくれたときは、必ずいい演奏で迎えるつもりなので、よろしくお願いします。

荻野  毎回、少しでもそのライブに感情を落としていってもらえるように、演奏しています。楽しかったとか、いい曲だとか、何かしら思ってもらえるように。あまりひとつのライブを特別視するのはよくないと思うけど、この日は、このメンバーで作った最初のCDを初めて持っていく日だから、いつも以上・・いや、いつも通り・・・いや、やっぱり少し特別に思ってます。受け取っていただけたらうれしいし、気に入ってもらえたら、ぜひCDを手に取ってください。あとは、演奏で伝えたいと思います。


●僕とモンスター

 

●収録曲

#1  10950日目の進化

#2  アルバム

#3  掃除

 

●価格 : ¥500

 

“僕とモンスター”
島子  Vocal/Acoustic Guitar
ほし おずま なおき  Guitar

 

作詞・作曲 島子
Recording&mixing szk
Recording Studio スタジオ09
絵 smk
デザイン boosounds


【satohyoh による、僕とモンスター レビュー。】

 

少し遠くに出かけた際、偶然に、1km以上続く桜並木に出会いました。散歩しながら、この景色にきっと似合うはずと、いただいたばかりの僕とモンスターの音源を再生しました。左右のイヤホンから聴こえるのは、歌とギターのみ。島子さんの穏やかで張りのある歌声とアコースティックギターをメインに、ほしさんの様々なギターフレーズが左へ右へ駆け回る。非常にシンプルで、しかし斬新な作品であると感じました。

 

いつもは外の音をシャットアウトするように、音量を上げて音楽を聴いていますが、島子さんとほしさんの音の隙間から聞こえる外の音、鳥のさえずりや、川のせせらぎ、車が走り去る音、待ち行く人達の話声までが心地よくなり、少しだけ音量を下げてみました。街の景色に溶け込むような僕とモンスターの音楽は、歩いていく度に、様々な表情に変わっていきました。シンプルさを追求した作品ゆえに、どんな景色にも、どんな気持ちにも寄り添う、優しい作品になったのだと思います。

 

「テレビを見て笑う君を見て笑う/少しずつでいいからどれかを捨てなきゃ」という一節に、少しだけドキッとするのは、捨てるという言葉を幸せな情景の歌に使うという発想に驚くのと同時に、幸せになるため、自分も知らず知らずに何かを選んで、何かを遠ざけていることに、気づかされてしまったからかもしれないな。3曲目を聴き終え、そんなことを考えながら、また1曲目から、聴き始めました。


 

 

 

 

 

●OG&Ame Sol town band (オージーアンドエイムソルタウンバンド)
1st maxi single 『Ame』 (あめ)

 

●収録曲
1.Wanderer(ワンダラー)
2.Ikaros(イカロス)
3.Zinnia(ジニア)
4.Drops(ドロップス)

 

●価格:¥500(ライブ会場限定)

 

●参加メンバー
Gu:平田裕亮
Ba:森本州
Dr:山川さやか
Pf:奥ひかり
Arco:佐々木幸喜(M-1)
Jacket art : ナカムラヒトミ(http://trueeyes128.blog.shinobi.jp/


【satohyoh による、OG&Ame Sol town band レビュー。】

 

音だけではなく心を合わせられるメンバーと出会い、その音楽を、個人名に閉じ込めておくことが出来なくなった荻野さんの、新たなる1st作品。

 

荻野さんの代表曲で、ソロ作品にも収録されていた「Wanderer」の再録を、以前の作品と聴き比べてみると、その変化がよくわかります。第一印象は「腰を据えた音」でした。もともとあった雄大さ(個人的にはオリエンタルな気持ちになる)をさらに広げたのは、紛れもなく、他のメンバーの的確な演奏によるところが大きく、心地よく打ち鳴らされるスネアドラムに誘導されるように、一歩一歩を大きく踏み込むようなどっしりとした曲に変化させたように感じました。

 

そして、その「Wanderer」の歌の最後の部分に、荻野さんの今の心境が垣間見えた気がしました。前作では高音で勢いよく歌いきっていた言葉を、落ち着いた優しい声で、語りかけるような締めくくりに、変更しています。メンバーを得た安心感、充実したバンドアレンジへの幸福感が、このような歌の変化に繋がったのではないかと、思わずにはいられません。「さあ、旅の続き」。荻野さんが語りかけるように、荻野さん自身も、バンドという旅を続けていくのだと宣言する、熱量と希望がこもった一枚です。